上海市統計局が2010年上海市の不動産市場についての要約を発表していました。下記は抄訳したものです。
2010年、中国政府は住宅価格の高騰を抑えるため、金融・不動産・税制など各方面での政策を強化した。上海市はこれらの政策が、不動産市場の発展や内需拡大のほか、社会秩序につながると分析している。
Ⅰ:不動産開発投資の拡大
上海市の不動産開発投資額は2010年に大きく増加。投資額は前年比35.3%増の1980億6800万元だった。特に、住宅向けが38.5%増の1144億6300万元と大きく増加し、不動産開発投資総額の6割強を占めた。また、オフィスビルが8.7%増の204億800万元(開発投資総額の11.2%)、飲食店やホテル向けの商業ビルが18.3%増の219億8600万元(同12.0%)だった。
開発投資の増加要因
① 低所得者向けの住宅開発が拡大。2010年の同住宅の投資額は前年比72.3%増の335億4000万元だった。
② 土地の取得コストが大幅に増加。2010年の土地取得の総コストは同110%増の449億2700万元で、開発総投資額の22.7%を占めた。
③ 2009年の金融緩和政策の影響。2009年に実施された同政策の影響が、2010年も引き続き不動産開発の拡大を後押した。
Ⅱ:不動産の開発規模
① 2010年の上海市の市場に流通する不動産(商品房)の新規着工面積は、前年比13.4%増の1億1295万平方メートルだった。うち、商品住宅の施工面積は同11.6%増の7313万平方メートルだった。
② 2010年の上海市の市場に流通する住宅(商品住宅)の新規着工面積は、前年比21.7%増の3030万5900平方メートルだった。うち、商品住宅の新規着工面積は同22.7%増の2111万1100平方メートルだった。
③ 2010年の商品房の竣工面積は、前年比7.8%減の1941万平方メートルだった。うち、商品住宅は同7.5%減の1685万3500平方メートルだった。
Ⅲ:金融機関による融資と公共積立金の利用状況
① 2009年の金融機関による融資拡大などの影響もあり、足元でデベロッパーの資金繰りは良好となっている。
② 金融機関による融資の増加も不動産市場の発展に大きく貢献。中国人民銀行の統計によると、2010年11月末時点の商業銀行の人民元融資残高は前年同期比19.2%増の8298億7100万元だった。うち不動産開発への融資残高は同20.1%増の3072億1900万元、個人向け融資の残高は15.9%増の4629億4500万元だった。
③ 2010年は住宅販売面積が減少したことで、公共積立金の利用額は大幅に減少。11月末時点の上海市の公共積立金残高は前年同期比18.0%増の1118億6500万元と増加した一方、利用額は同44.7%減の280億1600万元と減少した。
Ⅳ:商品房の販売面積
① 2010年は不動産引き締め策に転じた影響から、不動産販売面積の減少が鮮明となった。特に住宅販売面積が同42.4%減の1685万3500平方メートルと大きく落ち込んだ。
② また、存量房(デベロッパーの既存ストック)の取引面積も大きく落ち込んだ。同取引面積は前年比30.0%減の1966万8600平方メートル、うち住宅の存量房は同38.9%減の1522万平方メートルだった。上期は増加傾向にあったが、不動産引き締め策の影響を受けた下期に一気に減少に転じた。
Ⅴ:保障住宅
① 低所得者の住宅環境を改善するために、上海市では低所得者向けの住宅建設が加速。立ち退き住民に対する受け入れ住宅を含めた保障住宅の2010年の販売面積は前年比15.4%増の735万4600平方メートルだった。なお、2010年末時点で、同市で低所得者向け住宅の利用は同9000世帯増加の7万5000世帯だった。
Ⅵ:竣工面積
① 上海市の竣工面積は3年連続で減少。2008年の竣工面積は前年比26.8%減の2475万400平方メートル、2009年は同15.0%減の2104万9800平方メートル、2010年は7.8%減の1941万2500平方メートルだった。
Ⅶ:新築住宅の販売エリア状況
① 2010年上海市の新築住宅の販売面積は、内環線内が69万4700平方メートル、内外環線間が448万9800平方メートルにとどまる一方、外環線外(郊外エリア)が1166万9000平方メートルと全市の約7割に達した。
③ 価格では、内環線内の新築平均販売が1平方メートル当たり4万8032元、内外環線間が1万4831元、外環線外が1万1961元だった。なお、2010年の上海市の新築住宅の平均販売価格は1平方メートル当たり1万4213元だった。