3月 12

国家統計局が発表した2010年2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%増だった。
前月比で1.2%増。
1月のCPIは前年同月比1.5%増で、物価上昇が徐々に見えはじめた格好となった。

また、中国人民銀行が発表した2010年2月の新規融資額は7001億元、1月の1兆3900億元より下落した。
しかし、2010年通年の貸出目標額が7兆5000億元であることから、1月から2月の2ヶ月間で30%近くを消化した計算になる。
2010年2月のマネーサプライ(M2)は、前年同月比25.5%増の63兆6000億元。
全人代で温家宝首相が述べた「17%」を上回る水準となった。

インフレ懸念が台頭しつつあり、不動産価格にも影響を及ぼしはじめる可能性が高まってきた。
今回発表された数値により、実質的なマイナス金利(1年物定期預金基準金利、2.25%)となった。
そろそろ、利上げが実施されるとの憶測も広がっている。
2010年に入り、預金準備率を2回引き上げているほか、銀行での窓口規制もおこなっている模様で、過剰流動性の抑制を目指してきた。
1月は、不動産購入にかかるローン優遇政策の打ち切りから、駆け込み需要があった。
2月は、ほぼ半減となり、この調子が続くならば、不動産価格上昇の抑制に一定の効果が見られるだろう。

不動産市場にとって、次なるメルクマールは利上げと人民元の切り上げである。
マネーサプライの抑制と人民元の切り上げが、ここ5年、ずっと「いたちごっこ」の問題として取り上げられてきた。
金融危機という形で、いたちごっこが一時期、影を潜めていた感があるが、ふたたび、政府はこの問題について積極的に考える必要が出てくるだろう。
この動向に注目したい。

Tagged with:
3月 04

2010年3月4日付の『時事速報』によると、中国国家外貨管理局の易綱局長が、人民元の資本取引を段階的に解除することを雑誌「中国金融」に寄稿した。

すでに、貿易での人民元決済がおこなわれているが、資本取引の解禁を示唆した背景には、貿易取引と称して資本取引に向かうホットマネーの流入を阻止する狙いがあるほか、人民元の切り上げに対する当局側の警戒感があるものと見られる。

また、易綱局長は、5つの改革案を発表した。
「資金使途の事前チェックより、資金動向の直接監視・分析を重視する」「事前審査より事後の調査に重点を置く」「法規で明文化されていること以外は認めない姿勢を、明文化されていないこと以外は認める姿勢に改める」方針を打ち出した(同記事より抜粋)。

ホットマネーの流入と人民元の切り上げは、ずっと「いたちごっこ」の様相を見せている。
輸出産業の保護がまだ必要であるとの判断から切り上げ圧力を、ドル買い人民元売りで抑制している。
そうすると、マネーサプライが増加して、資産バブルへの警戒が高まってくる。
インフレ懸念が出てくると、金融政策(預金準備率引き上げ、基準金利引き上げなど)で吸収することになる。
これらを解決するには、人民元の切り上げが必要になってくる。
人民元を切り上げるということは、ホットマネーの流入を加速させる大きな原因となる。
この意味で、「いたちごっこ」なのである。

そろそろ、人民元の抜本的な改革が必要になってきており、今回の寄稿は、それの嚆矢となるかもしれない。

Tagged with:
preload preload preload